time
 



変に責任を感じた蒼衣は登下校を一緒にしているわけだが、彼には私と縁を切ると言う選択肢はないらしい。少しだけホッとしているのはきっと間違い。


「(今日はまだ時間戻ってないなあ。いや、戻らない方が嬉しいんだけど)」
「ちーあーきー!」


ギロと敵意むき出しな視線は無視し、ドア付近で手を振っている彼に近付く。


「なに」
「髪結んでない千明拝みにきた。あ、お前今馬鹿だなこの人って思ったろ」
「良く分かったじゃん」


ブーブー煩い蒼衣の髪を引っ張ると痛さに意識が行ったのか静まった。触り心地の良い髪の毛は癖になりそうでこのまま掴んでいたい気持ちを抑えぱっと放す。心なしか彼の顔が赤い。


「そんな痛かった?」
「いや、別に」
「ふーん」


直ぐに興味は薄れある事に気付いた。人に興味が無い私でも気付くぐらいの変化。


「蒼衣、」
「うん?」



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