最低最高カレシ

「…俺らも行くぞ。」


声が出ない。


…っ怖…かった…


手がガクガク震えている


もう行ってしまったのかと思っていた潤が頭を撫でてきた。



「…泣くなよ」



あ…あたし…泣いてたんだ…


気付いたら…涙がポロポロ出てくる。


やだ…潤に見られちゃう


顔を手で隠そうとしたとき


さっきまで頭の上にあった手が頬に触れた。


ドキッとした。


潤があまりにも優しい目で見てくるから。


金縛りにあったみたいに体が動かない。


「顔真っ赤。」


ｷﾞｭｯと抱きしめられた。

「泣き止むまでこうしてやる。」


「ぐずっありがと。」


あったかい…


ありがとう…潤。


そのまま潤はしばらく抱き締めてくれた。


何だか…懐かしい。


きっと、小さい頃同じ用な事があったのだろうな…。


あたしが泣いていて、潤が暖かく抱き締めてくれる。


前は優しかったんだろうな…


前ってちょっと失礼かな？


潤はそのままずっと抱き締めていてくれた。