最低最高カレシ
「…ごめんね…」
太陽が静かに言った。
あたしは涙が静かに頬を流れるだけ。
…長い沈黙。
「こんなつもりじゃ無かったんだ…」
涙目で太陽が言う。
もういいよって言ってあげたいのに声が出ない。
「また…友達に戻れないかな…?」
「……太陽は…あたしのこと好きだから…キスしようとしたの…?」
ずっと気になってた。
何であの時あたしにキスしようとしたのだろう。
やっと出た声は涙声で小さかった。
…また…長い沈黙。
「………多分、」
……………。
太陽は固く口を閉じている。
えっっ!それだけ!?
「多分」ってどっちの多分!?
「友達…だめ?」
あ、話し変えた。
…太陽らしいなぁ。
少し笑ってしまった。
「何で笑うの!?こっちは真剣に悩んでるんですけどー!!」
怒ってるように見えて少し笑っている。
「何でもないッ!!うーん、友達ならいいかなぁ♪」
「ならって…結構傷つくんですけどー!!」
太陽はあははっと笑っている。
太陽の笑顔は名前の通り太陽のような明るい笑顔で見てるこっちも笑顔になる。
…すごい。
さっきまで張り詰めていた空気が嘘みたいに明るくなっている。
あたしの涙も もう乾いている。
これが太陽の才能だろうな…。
それから太陽とは別れてれて家に帰った。