最低最高カレシ
「ちょっと!!遅刻しちゃうんだけど!!!潤!!!」
夏菜があたしの後ろを見て言った。
ジュン…って……
「へっっ?!」
あたしはクルリと後ろを向く。
あ…やっぱり…
-石田 潤-
小学校からの幼なじみ。 家が隣で部屋も隣。
数10センチしか隙間が無いから前は頻繁に行き来していた。
でも、中学生になってからそれは変わった。
クラスも同じにならなかったし、たまにすれ違っても素っ気ない挨拶…
すっかり忘れていた。
「ひ…久しぶり…」
いちよう…声をかける
っつか…3年でこんなに
変わるもんなの??
すらっとした大きな背
太陽の光に当たってキラキラ光る髪…
小学校の頃の-潤-とは違う-潤-がそこにいた
かっこよくなったな…
素直にそう思った、
見とれている自分に気づいて慌てて声をかける
「あたし伊織覚えてた?」
あたしはニコッと笑った
苦笑いになってないと良いけど。
-スッ-
…あれ??
潤はあたしから目をそらしてスタスタ歩いて行ってしまった…。
は??
あたし今話しかけたよね?
「クククッ いお無視されてるし!」
あははと笑う夏菜。
でも、あたしの頭は
怒りでいっぱい!!
ありえない!!何あいつ!!
最っ低!!!
潤ってあんなやつだったっけ!?
訳わかんない!!
「ほら!いお!!遅刻しちゃうよ!!」
あたしはそのまま不機嫌になりながら走った