優魂者
彼女の名前は本庄村正ーホンジョウ ムラマサー
無類の父、新山武蓮の親友の狐(本人曰く人型)に空手を仕込まれた少女。実力は今見た通り。
つい最近篭っていた山から降りて来て現在に至る。
「案外綺麗だな、一人暮らしわりには」
無類の家は大きい平屋の日本家屋。内装は居間、寝室、客間、台所、風呂、トイレ、そして道場。
一人暮らしというのも両親を亡くしているから嫌応無し。親の財産は独り立ちするまでは暮らしには困らない程度にあるため必死にバイトをしているわけではない。かといってバイトをしてあないわけではない。要は普通に暮らしているのだ。
「まぁ、薫も手伝ってくれてるからな、掃除も酷じゃねえ」
「へぇ、新婚かいな」
それを聞いてからかうような口調で村正が言い。
「違うってよ!なあ薫」
少し焦りながら無類が言い
「そうだよ、私は昔から無類君やお父さんにお世話に成ってるからその恩返しかわりだよ、そういうことは全く全然ないんだよ」
ナイスなフォローだった。しかし、全く全然ないという一言が無類の心に深く突き刺さったが、薫も村正もそのことを全く知らないのであった。