優魂者


村正はそこでいったん止めて、一呼吸置いてからまた語り始める

「発生する異的な力については不明、人それぞれ故に書き用がないからである」

読み終えた紙をそこに置き、お茶を啜り

「分かったか?」

「わかるかッ!」

無類が机を叩きながら叫んだ。

「物分かりの悪い野郎だ、薫は分かったよな?」

はぁと溜息をつき、薫に向く

「………えっと」

全然理解してなかった

「あーうん、実践しよう…道場にいこう」

そう言うと村正は立ち上がり、居間を出ようとし、振り向き

「……道場って何処だ?」

そう無類に問う
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