優魂者
「で?その超能力とやらはどうやったら使えるようになるんだ?」
「…んあ?」
すっかり落ち着いた無類は冷静に問い、村正は飲み切って空になった湯飲みを覗き込みながら気の抜けた返事をした
「そうだな、最初から、産まれた時から使えるものも居れは、後から使えるように成るものも居る。まあ優魂者全員に言えることは、そう在りたい、そう在ってほしいと願望している者、その願望が魂を変化、その存在がその願望を叶えられるようにする」
その説明をしながら、空の湯飲みに急須のお湯を入れる
「願い…ねぇ」
無類はそうつぶやいた後、残っていたお茶を一気に飲み干した。
「なんでもいいの?」
疑問に思ったのか薫が村正に聞いてきた
「あぁ、基本的になんでもいい。ただかなり強い願い出ないと、難しいかな。自分の魂を変化させるほどだからな、いくら優魂者といえど、並大抵なものではないからな」
「ふーん…凄いんだね」
さっきまでただの一般人だった薫、途方も無く一般的思想から離れている事をすんなり受け入れた。どうやらもう慣れたようだ。