優魂者
帰り道、今日も薫を送ろうとしたが部活の顧問に掃除を頼まれ、時間が掛かると思った為、先に帰らした。
案の定かなり時間が掛かり、午後7時を回ってしまった。
急いで帰ろうとは思わなかったが、例の通り魔が居ると言う話を聞いていたのでなるべく早く帰るように心掛けた。
まあ、こういうのの相場はだいたい七人くらい殺されてから出会うものだ
俺が主人公ならば
どうやら俺は主人公というわけではないな。
最悪だ、その通り魔に出会ってしまった。
何故解るかと?
こんな大通り、今は人目、人気が無いとはいえ、そんな所で鍔の大きな黒い帽子、黒いロングコート、黒いパンツの全身黒尽くめ、そして右手には2メートル超の長刀。そして足元には
真っ二つに切り裂かれた女性が転がっていた。
そんな状態を起こす奴なんて通り魔以外に考えられないからだ。