優魂者

現れた少女



少年の名は新山無類ーニイヤマ ムルイー。
公立麻宮高校一年生。
剣道部に所属している少し柄の悪い少年。
剣道の腕はプロ顔負けどころか裸足で逃げ出す化け物。強すぎて公式大会の出場は停止されている。
一説には飛行してくるミサイルを日本刀で叩き切れるとかなんとか…

そんな噂が立つ程、彼の腕は学校では知らない者が居ないくらいに凄かった。

「………」

そんな彼は授業中、机に突っ伏して寝ていた。疲れているのか、それとも授業が退屈なのか、間違いなく寝ていた。

「…無類君、起きて」

寝ている彼を隣の席の女の子が起こそうと揺する。セミロングの髪に毛先だけが黒い金髪という奇妙な髪色の少女だ。

「……ん…?なんだ?薫か?」

揺すられて起こされた無類は寝ぼけ眼で自分を起こした少女を薫と呼んだ。

「ほら、起きないと先生に怒られるよ?」

優しく、子供を起こす母のように言い、無類を起こそうとするが

「…悪い薫、寝る」

そう告げると勢いよく、机に突っ伏して熟睡した

「…もう知りません」

少女は拗ねた
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