死神は柑橘系 ~死の宣告とオキテ破りな恋~
5.死の宣告
次に来夢が「夢」を見たのはひと月後のことだった。
夢に出てきたのはサラリーマン風の中年の男だった。
夢を見た二日後、駅で夢に出てきた男を見かけた。
男は誰かと待ち合わせをしているようで、駅の前で時計を気にしながら周りを見ていた。
来夢は自分の「仕事」について思い出し、少し迷ってからそれでも男に歩み寄った。
「あの」
「ん?なんだい?」
男は来夢の方を見て首をかしげた。
言うか、言わないか。
少し迷ってから、意外とあっさり言葉が出てきた。
「オジサン、もう少しで死んじゃうかも。人を助けて。だから悔いの無いようにしておいて。」
少ししてから男は来夢に向かって
「そうか。じゃあ気をつけなきゃな。でも人を助けて死ぬならいい死に方かもしれないな。」
と笑顔で言った。
来夢はその場を走り去った。
なんで。
なんでだ。
怒るだろ、ふつう。
勘弁してくれ、こっちがおかしくなっちまう。
こらえきれず、涙を流しながら家に帰った。
夢に出てきたのはサラリーマン風の中年の男だった。
夢を見た二日後、駅で夢に出てきた男を見かけた。
男は誰かと待ち合わせをしているようで、駅の前で時計を気にしながら周りを見ていた。
来夢は自分の「仕事」について思い出し、少し迷ってからそれでも男に歩み寄った。
「あの」
「ん?なんだい?」
男は来夢の方を見て首をかしげた。
言うか、言わないか。
少し迷ってから、意外とあっさり言葉が出てきた。
「オジサン、もう少しで死んじゃうかも。人を助けて。だから悔いの無いようにしておいて。」
少ししてから男は来夢に向かって
「そうか。じゃあ気をつけなきゃな。でも人を助けて死ぬならいい死に方かもしれないな。」
と笑顔で言った。
来夢はその場を走り去った。
なんで。
なんでだ。
怒るだろ、ふつう。
勘弁してくれ、こっちがおかしくなっちまう。
こらえきれず、涙を流しながら家に帰った。