求愛ラバーズ
「というわけで!今夜はママと寝ましょっ!」


「お母さん!?」





いい考えだと言わんばりの表情を浮かべ、ポンッと手を合わせている。





「たまにはいいじゃない?」


「お父さん、不機嫌になるよ?」





私のお父さんは今でもお母さんにベタ惚れしてる。





夫婦仲がいいのは結構なんだけど、子供の前でイチャつくのは止めて欲しい。





「大丈夫よ。パパの機嫌ぐらいすぐに治せるわ。」





何歳になってもお母さんは少女の様。





妹達の様子を見てくるとお母さんが出てる間に部屋着に着替え、化粧を落とした。





クレンジングをたくさん使わないとライナーも重ねて塗ったマスカラも落ちない。





お風呂は朝入る事にして、ベッドに潜った。





「みんな寝ちゃってたわ〜。」





そう言いながらお母さんもベッドに潜ってくる。





「ありさと一緒に寝るなんて幼稚園以来じゃない?」


「そうだね。」


「子供の成長って本当に早いわね〜。」


「ねぇ…お母さん。」


「なぁに?」


「誰かを好きになるってドキドキするものよね?」




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