求愛ラバーズ
ありさと自分の名前を呼ばれ我に返ったのか、俺を見て何度も瞬きをし始めた。





「えっ!?ちょ……あれっ、なんで?」





パニック状態のありさは閉められた障子と周り、俺の顔をキョロキョロとさせる。





「お見合いってわかる?」


「はぁ?お見合いって…お見合いでしょ?」


「うん、まぁ。それでさ、今日は俺とありさはお見合いをしなくちゃならないんだよね。」


「ねぇ………私達ってなんだったけ?」





まだ状況が掴めないのか、ありさの言葉に吹き出しそうになる。





「付き合ってるよね。」


「恋人よね?」


「そう。俺は彼氏でありさは彼女。」


「…………お見合いする必要ある?」


「ないけど、取り敢えず話を聞いて。」





立ったままのありさの手を引っ張り隣に座らせた。





「宗士……浮気しようとしてたの?」


「してない、してない。ありさ一筋。」


「なんでここにいるの?」


「ありさとお見合いする為。」


「………ごめん、やっぱりわからない。」





怪訝な表情を浮かべるありさにとうとう口が緩んでしまった。





「説明するから、聞いてくれる?」



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