求愛ラバーズ
プロポーズがこんなに緊張するなんて………告白なんか比じゃない。





気が抜けて乾いた笑い声がもれてしまう。





「ありさ、これ書いて?」


「……待って?今プロポーズされたばかりなんだよ?」


「言ったよね?離さないって。」


「そうだけど……。」


「お願いありさ。早く俺のものになって?」


「…………書く。」





ありさにボールペンを渡し、婚姻届を書かせる。





社長には事後報告ということで…。





暫くすると全て書き終えたありさがボールペンを置き、チラリと俺を見上げた。





「2人で出しに行こう。指輪も2人で決めよう。」


「うん。幸せにしてね。」


「当然。なにがあってもありさを離さない。」





料亭を出て、車で役所に向かう。




「ねぇ、本当に婿養子になっていいの?」


「ありさと結婚出来るならなんだってする。」


「なんだってするの?」


「するよ?」


「じゃあ、指輪より先に私を愛して?」


「…ありさ?」


「宗士と繋がりたい。愛し合いたい。」





運転してなかったら今すぐ抱き締めるのに…タクシーで来ればよかった。




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