求愛ラバーズ
「宗士…。」


「起きた?」


「うん。いきなり激しいよ…疲れちゃった。」


「ごめん。俺も自分にビックリしてる。」


「ふふっ。……あっ、避妊しなかったでしょ。」


「ごめん、した方がよかった?」


「ううん。嬉しかった。私達、夫婦だもんね。」





ただ役所に届を出した瞬間に俺達は夫婦になれたんだけど、あまり実感がない。





「一ついい?」


「何?」


「絶対離婚しないから。」


「私も離婚してあげないから。死ぬまで逃がさないからね。」





そんな心配しなくていいのに。





初めて、全身から求めたのがありさなんだから。





行動力のない、言い出せない、意気地無しな自分に苛々した。





余裕なんかこれっぽっちもなかった。





やっと、やっと手にいれたんだ。




うんざりするほど、嫌になるほどありさだけを求めるから





―――――これから先





俺のありったけの愛を受け止めて。





「これから毎日愛してるって言って?」


「勿論。」





心も体も俺の愛でいっぱいにするから覚悟して―――。




-END-


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