求愛ラバーズ
「かれん達の方が視聴率も上がると思わない?」





かれんちゃんはありさの妹で、俺と同じ会社に勤める営業部の課長、新名くんと結婚間近と聞いている。





確かにありさの言う通りで、胸焼けしそうなほど熱い2人。





見てるほうが恥ずかしくなるぐらいに。





「ねぇ、こうやって見送って欲しい?」


「んー、どうかな。そういう人はいるんじゃない?」





見送って欲しいと正直に言うのは流石に恥ずかしくて言えない。





それに、ありさは仕事に行くだけで寂しがるタイプではないし、バカにされるのがオチだ。





「一般論じゃなくて宗士に聞いてるの。」





顔を覗き込まれ、視線が絡んでしまったもんだから逸らす事は出来ないし、何より誤魔化す事が出来なくなってしまった。





「まっ、宗士は違うよね。私には無理だし。」





同じタイミングで口を開いたが、先に言われてしまった。





まぁ………無理なのはわかってたけどね。





けど、望んだっていいと思わない?





その後もありさはアイドルにも女優にも暴言を吐き続けた。




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