空を見た日。
がっちりと肩を捕まれがくがく揺さ振る慶くんに俺は落ち着け、と促す。
「拓が、勉強を教えてくれないんだ!!」
「……………は?」
「……永岡?」
俺が惚けている間に、どういうことだ、と高史が永岡に問う。
「慶太は物覚えが悪いんだ。……俺がいっくら教えても。」
「そこを根気強く教えてくれるのが友達ってものだろう!」
「じゃあ、俺は友達を止めるよ。長い付き合いだったな、慶太」
「な、な、な、たくっ!」
よっぽど嫌なのか、頑として教えようとしない永岡。
どうしたものなんだろう、と思っていると……
「わかるぜ、慶太」
「おぉ!わかるか、高史」
「……あぁ。少しできるからって、その能力を持て余すだけ持て余して、なのに、俺たちには教えてくれないんだよな!」
「高史っ!お前は、話がわかるやつだなぁ!!」
おんおん、と二人して抱き締めあい、泣くふりをしだした彼等に俺と永岡はため息を吐く。
俺はちゃんとおしえてるろーが!
「授業を聞いてればわかるだろう?なぁ?柿本」
「あ?………まぁ、な」