空を見た日。
「可愛い」
「……………は?」
「あの清楚な感じが俺、好みだ!」
「……いや、ちょお待て!お前、よく見て……」
高史の制止の声なんて俺の耳には入っていなくて。
俺は間違った一歩を踏み出した。
「困ってるみたいだから、助けてくる!」
「どーしたんだ?って問い掛けたら、」
「クラスがわからないんです、だっけか?」
「そうそう。それで俺が……」
「「ここは男子のクラスわけだから、君のはわからないよ」」
被った声音に振り向けば、そこには満面の笑みの瑞季の姿。
「あ、み、みず「後藤先生から日誌を君に渡しておくように頼まれたからね」
「さ、さんきゅ……」
「全然気にしなくていいよ。柿本くん!!」
目が笑っていないんだよ!!
と俺は心で叫んだ。
これがアイツとの慣れ初めってやつで……
この先にまさか、あいつが俺の大事な奴になるなんて……
思ってもいなかったんだ。