空を見た日。
プール日和。
入学して早いもので……
あの頃、立派に花咲かせていた桜にはたくさんの青葉がしげり、いつしか季節は夏へと変わっていった。
「よっしゃー!体育だ!」
「……うげぇ。水泳じゃん!」
「なんでだ?水泳はおもしろいだろう?」
「お前は元、水泳部だからいいだろうがな。」
よよよ、と泣き真似をする高史に俺は首を傾げる。
あの冷たい水の感じが堪らなくいいというのに。
「水泳部とか関係ないだろう。」
「いーや、あるね。お前は水の怖さがわかっていないんだ!」
「あー……お前、カナヅチだったけか?」
最悪だー、と叫びながら走っていく友人に俺は苦笑いを浮かべた。
と、一人。教室から出る気配がないものを発見。
「おい、瑞季。次、水泳だぞ?」
「わかってるよ、この体力馬鹿」
「な、お前な〜。人が折角教えてやったっつーのにだなぁ」
「………それはわざわざありがとう。でも……」
何も持たずに教室から出ていく瑞季。その理由を聞く前に向こうからきつい一言。
「そういうのを、余計なお世話、というんだ!」