空を見た日。








「何なんだよ、アイツは」
「わぁ!急に背後でしゃべるな!」



水泳といってもその授業の半分が自由時間……つまり、お遊びタイム。何本か泳いだ後は、基本、こんな感じに時間がゆっくりと過ぎていく。物足りなさを感じないと言ったら嘘になるが、これはこれで楽しい。



「また、瑞季か?」
「むっ。どうしてわかるんだ?」
「お前が唐突にわけわかんないことを言いだすときは必ずと言っていい程瑞季関連だからな」



必死にビートバンにしがみつく高史の背中を俺は軽く叩く。



「っうわぁぁ!おーすーなー!!」
「淋しそうだったんだ」
「無視すんな!」
「……怒ってるくせに、泣きそうな顔、してたんだ」
「はぁ?何言って……」
「おーい、柿本ぉ!鬼ごっこ、しようぜ!!」
「あぁ!」



ばしゃばしゃ、と。

俺はさっきの顔は気のせいだと思うことにして、友人たちの元へ向かった。



「だぁ!水をかけるなぁ!!」














「ぷっは〜!」
「お前、それは戦利品?」
「あぁ。鬼ごっこが何故か、水泳大会に化けて、どうせなら何か賭けようってことになってさ」






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