空を見た日。


「それで?お前は何を泳いだんだ?」
「バタフライ。」
「…………はぁ?」



自慢じゃないが俺は水泳大会Jr.部門での優勝経験を持つ。


……バタフライで。



「………せこ過ぎる」
「だぁってさぁ。たかチャン。慶くんとか永岡とかが『バタフライなんかには負けねぇ!』って」
「……お前以外の奴に適応される言葉だそれは。」
「いやぁ〜。ジュース、かかってたし?ついつい本気でやっちゃった……」
「ほほう。それはいいことを聞いた。」



背後に現れた気配に俺はどきり、とした。
この声は、まさか………………?



「け、慶くん?」
「バタフライの優勝経験?それは知らなかったなぁ。なぁ、壱岐?」
「げっ。永岡まで……」
「それは本当の話なんだよなぁ?高史?」
「もちろん。小出?」



小出慶太と永岡拓真。
同じクラスで仲良くなったダチの中の二人。



「反則負け、になるんじゃないのかな?結衣ちゃん?」
「だ、ま、お前等がぁ!」
「問答無用。慶太、」
「おうよ!」



空手部の期待の新人慶太とねちっこい性格の拓真。



これは、まずい。





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