空を見た日。



「は、はは……」
「行け。慶太。かんぷなきまでに」
「まかせろ!拓!」



無理無理無理無理ぃ〜!



「に、逃げるが勝ちだぁぁぁ!」
「あー!逃げんな!柿本ぉ!」



俺は全力で逃げた。














嫌いだ。

あんなやつ。

全てにおいて恵まれてる。

だから、大嫌いだ。








「あれ。瑞季?」
「……っ?!」



そいつは急に現れた。

第一印象は最悪。何せ、俺を女と思って嫌がった。まぁ、はったおしてやったが……
次にアイツは俺の名前が女々しいとか言ってきやがった。自分だって負けないくらい女々しいくせに。


それから……



「どうしたんだ?気分でも……」
「っるさいなぁ!あっちへ行けよ!!」



人がどれだけ嫌いだオーラを出しても何故か近づいて来る。どこまでも、どこまでも。
俺は独りがいいんだ。どうせ……一人なのだから。



「何なわけ?いつもいつも!ほっとけよ!俺はお前なんか嫌いだ!」
「………」



立ち去ろうとした瞬間、いつもの目眩が起こる。

あー、もうだめだな。







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