告白プロジェクト【短編】
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最近、同じ場面を何度も見る。
「聡志(サトシ)、あのね、私ね……」
休み時間に帰り道、
隙を見ては俺に話しかけてある言葉を言おうと頑張っている幼なじみ。
もちろん長年一緒にいる訳だからこいつの言いたいことなんて簡単に想像がつく。
告白。
こいつが俺を好きなのなんてクラスみんなが知ってるほど。
顔にも態度にもでるため気持ちはだだ漏れ。
分かりやすすぎるのだ。
それを見て何気に優越感に浸る俺。
だって、好きな奴があからさまに俺が好きって態度見るのは楽しいだろ。
毎日毎日頑張る姿はそれはそれは可愛らしい。
「私ね、その……聡志のこと、」
「お、見ろよ未乃里。
屋根の上に猫がいるぞ。すげーな。
どうやって登ったんだ?」
「~~っ」
こうやっていいところでいつも話をそらす。