告白プロジェクト【短編】

「さ、聡志……今の」



「ん?キスだけど?」



平然と答えてるけど、どうして?



顔が赤くなるのがわかる。



背をむけて聡志が歩き出そうとするけど足が前に進まなくてついていけない。



どうしよう。
こんなときどうすれば……。



告白する目的も忘れてただただ混乱していた。



そしたら背を向けていた聡志が振り返る。



「お前、分かんねえの?」



「?」



「キスする理由なんて1つだろ」



理由?



それって……。



「ない頭で考えな。
鈍感お姫さま」



じゃな、って片手を挙げて私の家の前の家に入っていく。



私はやっぱり動けなくって。



キスする理由なんて、私の中には1つしかない。



けど聡志と私の考えって一緒が分かんないし。



どうしよう。
明日からどういう顔で会えばいいの?



告白って難しいよ。



数十分たってもやっぱり足は、固まったままだった。



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