セレーンの祝福
1.好奇心の先
ただ真っ白な中で
私は懸命にその足を踏み出し
前方へ手のひらを伸ばす
真っ白なそこは何もある筈がなくて
当然のように空を切る腕
その反動は私の体を地面への引き寄せた
「――――……さんっ!!」
たまらず掴めなかった何かへ叫ぶと
銀色の閃光が走り
その鋭い色からは想像もできないくらい
優しい温度に私は包まれた
「見てはいけない」