セレーンの祝福
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---------カツカツカツ。
静寂を引き裂くように彼女のヒールは広い廊下を突き進んでいた。
年齢からは考えつかない程、軽やかに彼女の背中は遠ざかっていく。
いい加減にこんなスピードで彼女についていくのは限界だった。
時々口早に部屋の説明をしてはまた次へ。
ほとんどどこがどの部屋かなんて記憶にも残っていない。
彼女は恐らく、淡々と城内を案内するだけのロボットなんだ、そうなんだ!
「カミル様!」
「!!!!!!」
考えていることが通じたように彼女は突然踵を返し、こちらを睨みつけた。
眼鏡の奥の目がこちらを凝視しているのを見て、思わず体がすくむ。
ロボットじゃなかった、エスパーだった…!
「あ…あの、ごめんなさ…」
「こちらが貴方のお部屋になります。くれぐれもイサ様の顔に泥を塗らないようお気をつけ下さいませ!」
思わず謝ろうとしたその時、彼女が指した先には可愛らしい扉。
開いた先には、淡い桃色でまとめられた内装の小部屋が広がっていた。
「隣はエオル様のお部屋です。離れては寂しいだろうとのイサ様のお気遣いです」
---------カツカツカツ。
静寂を引き裂くように彼女のヒールは広い廊下を突き進んでいた。
年齢からは考えつかない程、軽やかに彼女の背中は遠ざかっていく。
いい加減にこんなスピードで彼女についていくのは限界だった。
時々口早に部屋の説明をしてはまた次へ。
ほとんどどこがどの部屋かなんて記憶にも残っていない。
彼女は恐らく、淡々と城内を案内するだけのロボットなんだ、そうなんだ!
「カミル様!」
「!!!!!!」
考えていることが通じたように彼女は突然踵を返し、こちらを睨みつけた。
眼鏡の奥の目がこちらを凝視しているのを見て、思わず体がすくむ。
ロボットじゃなかった、エスパーだった…!
「あ…あの、ごめんなさ…」
「こちらが貴方のお部屋になります。くれぐれもイサ様の顔に泥を塗らないようお気をつけ下さいませ!」
思わず謝ろうとしたその時、彼女が指した先には可愛らしい扉。
開いた先には、淡い桃色でまとめられた内装の小部屋が広がっていた。
「隣はエオル様のお部屋です。離れては寂しいだろうとのイサ様のお気遣いです」