あたしとリュウイチ
中3・1学期
入塾
中3になって
友達はみんなバカみたいに浮かれていた。
クラス替えで好きな男の子と一緒になれただの
仲良しの誰々ちゃんとは離れ離れだの
あたしにとってはどうでもいいことばっかを
延々とキャーキャー言ってはしゃいでいるようにしか見えなかった。
あたしはそんなことより
とうとうやって来た受験の学年ということを考えて
ずっと気が重かった。
幼稚園も小学校も中学校も
英修学院を受験した。
うちはお父さんもお母さんも
そしてさらにお兄ちゃんもお姉ちゃんも
さらにさらにお祖父ちゃんまで
英修学院の卒業生なのだ。
いわゆる地元の名士の家に生まれたあたしだけど
頭の出来だけは家族の誰にも似なかったようで
3度も繰り返した英修学院への受験は
お金と時間の無駄遣いと家族にけなされて
結局一度も桜が咲くことなく
こうして公立の中学校に通っている。