君に染まる(後編)
「はい…………」
半泣き状態でこくんとうなずく。
あれから約2週間の間、
平日も休日も創吾先輩と過ごしたせいか
体調が良くないあたしを見かねて
美紅先輩と楓ちゃんが
相談に乗ってくれた。
楓ちゃんはそのまま目を伏せ、
美紅先輩はあたしの胸元に触れる。
「うわ…これは…」
半ば苦笑いで
創吾先輩につけられた“跡”を見つめる。
「まあ、服で見えないからまだ…ねぇ?」
力なく笑う美紅先輩に、
胸元のボタンを留めながら
あたしも力なく笑い返した。
「それはまだいいとして…
問題は未央の体ですよ」
「そうね…ただでさえ相手は創吾。
しかも、休日は何度もってなると、
そりゃ未央ちゃんの体じゃもたないわ」
「未央、元々体力ないし」
「ホント…未央ちゃんかわいそう!」
美紅先輩があたしを強く抱きしめる。
「けど、意外。
獅堂先輩って未央にベタ惚れだから、
未央の負担になるほど
するようなイメージなかったのに」
「しょせんアイツもただの男ってことね。
見損なったわ」
「美紅先輩、そこまで言わなくても…」