君に染まる(後編)
「まあまあ、いいじゃないですか。ラブラブってことなんですから」
荷物を置いて冷蔵庫から缶ジュースを取り出した楓ちゃんが軽い口調でたしなめる。
ふいに楓ちゃんの携帯が震え、缶ジュース片手に携帯を開いた。
「あ。…あれ?もしかして未央まだ携帯切ってる?」
突然の質問に首をかしげながら携帯を取り出した。
電源を入れるとメールがきていることに気付く。
〔○○中、3年5組の集まりやります!〕
そう始まり、日時や場所の詳細が続いている。
「打ち上げで行ったお店か」
「あそこ良かったよね」
「うん。未央、行くでしょ?」
さっそく「参加します」と返信している楓ちゃんに「うん」と答える。