君に染まる(後編)
そして、思わず肩の力が抜けた。
優先輩って、ホント…
鋭いというかなんというか…。
図星をつかれて一瞬驚いたけど、
優先輩にならなんだか話せる気がする。
あたしは、ゆっくり口を開いた。
「怖いんです…
呆れられるんじゃないかって…」
「なんで?」
「だって…
創吾先輩は
女の人との付き合いに慣れてるから、
あたしが思ってることなんて
めんどくさいって思われそうだし…」
「めんどくさい、ねぇ…」
そう呟くと、
しばらく黙り込んだ優先輩。
「…未央達ってさ、
見事なすれ違いだよね」
「え?」
「ってか、それ。
創吾の考えが分かる俺からしたら
ただのノロケにしか聞こえないんだけど」
「え…え、え?どういうことですか?
っていうか、
創吾先輩の考えてることって―――」
「教えないよ。
そういうのは自分たちで話し合って。
ってか、なんかイライラしてきた…」
そう言って、
優先輩が頭を押さえたと同時に
あたしの携帯が震えた。
あ、電話……………創吾先輩!?