君に染まる(後編)
「そーごは?」
「え…」
「そーごは?好き?」
「…っ…」
「嫌いなの?」
今にも唇が触れそうな距離まで近く、どうしようもなく息苦しい。
「………好き、だ」
分かりきっている答え。
それでも未央はすごく嬉しそうに笑って、そのまま…。
「っ…!?」
唇を重ねた。
未央が、未央が自ら、俺にキスをした。
と、同時に伝わってきたのは久しぶりの酒の味。
理性のタガが外れるのには、充分すぎた。
片手で未央の腕を引き、片手は後頭部を支える。
口内へ強引に舌を割り入れながら身体をきつく抱きしめた。
酒の匂いと未央の匂いが交ざってクラクラしてくる。
漏れる吐息も服の擦れる音も何もかもが官能的でもう我満はできない。
話さなければいけないことも、聞かなければいけないこともたくさんあるのは分かってる 。
何より今未央は酔っぱらってる。
突然の告白も、強引なキスも、全部酒の力だと分かってはいる。
でも、もうとめられない。