君に染まる(後編)


「じゃあさ、次」



…次?


「未央は、俺に"束縛"されてるって感じるか?」

「束縛?」


また、なんの話なんだろうか…。




「恋愛の"束縛"っていうのが、私よく分からないんですけど…」

「ああ、まあそうか……自覚、ないのか」



ドキッとした。

少し、先輩の目が鋭くなった気がしたから。



「別に、束縛しようと思ってしてるわけじゃないけど…俺の言動は確かに"束縛"だよ。初対面の人間にバレるほどには、な」


初対面の人間…。

それも気になったけれど、まず自分が"束縛"されているという実感がまるでない。


「私、先輩にどんな束縛されてるんですか?」

「どんな?」


一瞬顔をしかめた先輩だけど、すぐさまニヤッと口元をゆるめた。


< 199 / 268 >

この作品をシェア

pagetop