君に染まる(後編)
「じゃあさ、次」
…次?
「未央は、俺に"束縛"されてるって感じるか?」
「束縛?」
また、なんの話なんだろうか…。
「恋愛の"束縛"っていうのが、私よく分からないんですけど…」
「ああ、まあそうか……自覚、ないのか」
ドキッとした。
少し、先輩の目が鋭くなった気がしたから。
「別に、束縛しようと思ってしてるわけじゃないけど…俺の言動は確かに"束縛"だよ。初対面の人間にバレるほどには、な」
初対面の人間…。
それも気になったけれど、まず自分が"束縛"されているという実感がまるでない。
「私、先輩にどんな束縛されてるんですか?」
「どんな?」
一瞬顔をしかめた先輩だけど、すぐさまニヤッと口元をゆるめた。