君に染まる(後編)
耳を甘噛みしながらまだ笑ってる。
「…そんなにおかしいですか?」
「だって、お前…ははっ」
こらえられないのか私を抱きしめていた腕をゆるめて更に笑う。
「こんなんじゃ自覚するわけない、か」
ひとしきり笑った先輩は、再び私を抱きしめキスをしながらゆっくりとベッドに寝かせた。
「…未央の頭ん中、全部俺のことだけだったらいいのにな」
おでこをくっつけたまま見つめあう。
先輩の視線にクラクラする。
「他のことなんて目に入らないぐらい俺が好きで、いつでもどこでも俺のことばっか考えて、俺にデレッデレで、なんでも言うこと聞いてくれちゃうの、俺のしたいことして欲しいこと」
「…創吾せん―――」
「って。頭では思うんだけどな」
体をずらして私と同じようにベッドに横になり、そのまま私を抱きしめた。
「昨日といい、さっきといい…実際されるとあんまピンとこなかったな」
「…え?」
「素直なのはめちゃくちゃ可愛いし、すげえ嬉しい。強引なのもたまらない…けど、なんか違うんだよな」