君に染まる(後編)
と、その瞬間。
―――コンコン
突然ドアがノックされ私も先輩も動きを止める。
「おはようございます、坊ちゃん。畠山でございます」
明らかに嫌そうな顔をした先輩は、すごく不機嫌そうな声で答えた。
「…なんだよ」
「申し訳ありません。坊ちゃんにお客様がお見えです」
「客?誰」
「それが…その…」
歯切れの悪い畠山さんに2人とも首をかしげる。
「…待ってろ」
おでこにキスを落とした先輩は、小さな声でそう囁くとベッドから降りてドアへ向かった。
ドアを少し開いて畠山さんと言葉を交わしている先輩をぼんやり眺める。
―――と、先輩の顔色が変わった。