君に染まる(後編)
階段へ向かい廊下を歩いていると話し声が聞こえてきた。
だんだん近づいてくる声はどうやら玄関の方からのようだ。
もしかしたらさっき話していたお客さんかもしれない、と思い階段の上からこっそり玄関の方の様子をうかがう。
先輩と畠山さん…と女の人。
着物を着ていて表情や喋る仕草からとても上品そうな雰囲気。
さっき話していたお客さんってこの人のことかな…。
どっちにしろ、玄関で立ち話をしているせいで帰るに帰れなくなりその場にしゃがみこむ。
どうしよう…部屋に戻って先輩を待とうかな……でも…。