君に染まる(後編)
気持ちの整理ができないまま土曜日になった。
パーティーは夜からで、創吾先輩は準備のために先に会場に行くらしい。
私は創吾先輩の家で準備をして畠山さんと一緒に会場に向かうことになっている。
まずはドレスを選んでと言われたけど…。
「…こんなにあるんですか?」
部屋いっぱいに並ぶドレスにあ然とする。
「事前に坊っちゃんがチェックされておりましたが、どれも未央様に似合うからと厳選しきれなかったようです」
説明する畠山さんはなんだか楽しそう。
「これも似合いそうだ、これも可愛いな…と、全て購入されておりましたから」
「購入?」
その言葉にサーッと血の気が引く。
「え、これ、ここのドレスって、今日のためだけに買ったんですか?私のためだけに??」
「もちろんです。靴にネックレスに髪飾りに全て今日のために買い揃えたものです」
ニコニコの畠山さんに私は倒れそうだった。
一体いくらしたんだろう…考えるだけでクラクラする。
とりあえずあまり派手じゃない薄いピンクのドレスを選んだ。