君に染まる(後編)
その時は意味が分からなかったけど、
今になって後悔…
まさか、こんな質問だなんて…。
「そのくらいにしてあげれば?」
楓ちゃんの質問攻めに
あたふたしていると、
からかい混じりの声が聞こえてきた。
「美紅先輩」
「未央ちゃんにそんな質問
難易度高いって。
ほら、顔真っ赤」
くすくすと笑いながら
あたしの頬をつつく。
「でも、親友のあたしとしては
気になるというかー…
未央も大人になったんだなー…って」
「何それ。親友通り越して保護者ね」
目を細めて呟く楓ちゃんに
美紅先輩がケラケラと笑いかける。
「美紅先輩、何か用ですか?」
「ん?あ、そうだ。
創吾から未央ちゃんに伝言頼まれたの」
「伝言?わざわざ、ですか?」
「なんか携帯忘れたらしくて、あのバカ。
未央ちゃんとデキて
舞い上がってるのかも」
「うわあ、愛されてるぅ~」
冷やかす楓ちゃんに顔をしかめた。
「伝言、『放課後部屋に来い』だって」
「部屋ってVIPルームですよね?
またする気なんじゃないのぉ?」