君に染まる(後編)
花束を机の上に置き、着替えようとカバンを探っていると、携帯が光っているのに気付いた。
手に取り開いた携帯は、創吾先輩からのメールを知らせてくれた。
なんだろう…先輩達からコンサートが終わったこと聞いたのかな?
「終わったなら早く来い」とか…。
もしかしたら…「迎えにきたから出て来い」とか?
そんなことを考えながらメールを開いたあたしは、その内容に一瞬固まってしまった。
〔いい演奏だった。いい曲だな。LOVERには負けるけど〕
…え?
いい、演奏だった、って…。
え?先輩来てたの!?
突然のことに携帯を見つめたまま動けないでいると、今度は電話がかかってきた。