君に染まる(後編)
「弾きますよ?」と言おうとした瞬間、先輩があたしの首筋に顔をうずめた。
「せ、先輩?」
「………つく」
「え?」
「……ムカつく」
ぼそっとそう呟くと、首筋から顔を離し、不機嫌な顔をする。
「…んだよこのドレス、露出しすぎだろ」
「…へ?」
「なんでこっから上に布がねぇんだ、ふざけんな」
「こ、これはベアトップって言って…」
「んなこと聞いてねぇ。なんか上に羽織るとかしろよ」
そんなこと言われたって…。
「髪が長ぇからまだ隠れてっけど…ショートだったら丸見えだぞ」
ぶつぶつと文句を言う先輩に唖然とするあたし。
「俺の女ってことを自覚しろ。必要以上に肌さらすな」
「さ…さらす?」
「何笑ってんだよ」
「あ、すみません…え、だって……」
だってそんなの…まるで………。