君に染まる(後編)


「妬いたよ」


ドキッ



先輩の言葉に心を読まれたのかと思い一瞬焦る。



「未央が出てきた時、ここにいた男全員に妬いた。
まじ…無理やりにでも上着着せに行こうかと思った」


何もそこまで…。



「あの…これからだってこういうの着る機会ってあると思いますし…
その…毎回そんな風に思ってたら…きっと疲れちゃいますよ?」



「ああ。だから、その時は未央が俺の機嫌直してくれるってことで」


「え……っ…」



先輩が柵に手をつき、ぐっと顔を近づけてくる。




「機嫌、直してよ」

「…い、今ですか?」

「当たり前だろ?なんの為に呼んだと思ってんだ」

「なんの為って…!…だから2階に来れるかって!?」


ニッと笑う先輩にカーッと顔が赤くなる。



「そんな、こと…」

だって…機嫌直すって何すれば……。


顔をそらすあたしに更に顔を近づけてくる。



「やっぱキスかな…未央からして」


「あの…それよりもう着替えないと……」


「じゃあして」



そう言って、動こうとしない先輩。


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