君に染まる(後編)
先輩の性格上、キスしないと本当に離してくれなさそう…。
でもこんなとこで…ううん…場所の問題以前に、自分からキスなんて……。
どうすればいいのか悩みに悩んだ結果、あたしはそっと先輩の肩に手を置いた。
若干ピクッとした先輩にかまわず顔を近づけ…。
チュッ
「はっ!?」
キスをした瞬間、先輩が不満の声をもらす。
「んだよ…こっちかよ……」
眉間にしわをよせながら自分の頬を触る。
「だって…」
背伸びの体制から元に戻ろうとすると、先輩があたしの腰に手をまわした。
「仕方ねぇな……」
ボソッと呟くと、あたしのあごを掴み唇をふさぐ。
離さないようにしっかりと腰を抱かれ、身動きがとれない。
なんだか…いつもより長い気が……。
息が苦しくなり先輩の体を押すと、唇が少し離れた。
「…美紅達に花もらったんだろ?」
少し息を整えてからこくんとうなずく。
あたしの頬を両手ではさみ、おでこをくっつけると小さく笑った。