君に染まる(後編)
整った顔立ち…無駄の無い体つき…。
この髪も…
あたしの為に染めてくれたんだっけ。
あの時のことを思い出し、
なぜかすごく心が沈んだ。
どうしてだろう…
どうしてこんな人が
あたしのことを好きになったの?
美人でもない…
スタイルがいいわけでもない…
自分でも自覚してるほど優柔不断で…
全然パッとしない。
嘘だったとはいえ、
美紅先輩が言ってたみたいに
あたしと創吾先輩は釣り合わない。
それなのに、
守ってくれて、想ってくれて…。
創吾先輩は…
あたしのどこが好きなんだろう?
次の日。
〔放課後部屋に来い〕
また、創吾先輩に呼び出された。
しかも、文まで同じ…。
また子守唄代わりかな…と思いながらも、
放課後VIPルームへと足を向ける。
いつも通りゆっくりと扉を開け入るけど、
中には誰もいない。
ベッドルームかな…。