君に染まる(後編)
イルミネーション
クリスマスイブ。
それは、恋人達の夜。
「未央はもう決めたの?イブの予定」
「予定?」
「もちろん獅堂先輩と過ごすんでしょ?」
「え?特に決めてないけど…」
HRが終わりざわつく放課後の教室で、楓ちゃんが思いっきり眉間にしわを寄せた。
「え、何…まだ決めてないの?あと1週間しかないのに!?」
「だって…そんな話しないし…」
「いやいやいや!そういうことじゃないでしょ!?」
立ち上がって声をあらげる楓ちゃんにクラスのみんながびくっと反応した。
それに気付いた楓ちゃんがこほんっと咳をして再び席につく。