君に染まる(後編)
そう思いながら2階に上がると、
案の定、ベッドルームに先輩はいた。
けど、いつもと雰囲気が違う。
ベッドに腰かけ、
普段はかけていないメガネをかけ、
真剣な表情で書類を見つめている。
…かっこいい。
思わず見とれていると、
あたしに気付いた先輩が顔を上げた。
「…お、やっときたか」
メガネを外し首を回しながら
机に書類を置く。
「あ…お仕事中でした?」
「いや、お前が来るまでの暇つぶし…
どうした?ボーッとして」
「え?…あ、その…
メガネ、今までかけてなかったから…」
「あ?…ああ、これか」
再びメガネに手を伸ばすと、
メガネをかけながら立ち上がった。
「これ伊達。
なんか集中力あがるからかけてんだけど…
まさか見とれた?」
そう言いながら、あたしを壁に追い込む。
「かっこいい?」
「あ…え、えーっと…」
「気に入ったんだったら…
かけたまましてやろうか?」