Real

ある日、私はみんなの態度がついに耐えられなくなって、５年生の子に言った。
「早く並んで!?」
いつもなら仲良くするのに、こんな時だけは無視をされる。
本当にジコチューだ。
「早く!」
思わず、その子の綺麗に束ねてあった髪を、引っ張ってしまった。
「離してよっ!!」
怒鳴られた。
怒鳴りたいのはこっちだ。
「じゃあちゃんとやるんでしょ!?」
「離してってば!!」
今にも泣きそうな顔をされる。
これはあまりにも可哀想だ。
私は掴んでいた髪を離した。
でも、彼女は並ぼうとはせずに、友達のところへ駆けて行って、何事もなかったかのように遊び始めた。