Real
自分はキャプテンにはむいてないんじゃないか。自分じゃ、このチームをまとめられない。
怒りと悔しさで、涙が零れた。
私はそのまま、近くにあった跳び箱に顔を伏せた。
その場にいた友達に、「大丈夫?」と聞かれた。大丈夫じゃないから泣いてるんだ。
心の中で文句を言うと、また涙が溢れた。
1人の5年生の子が、泣いてる私に気がついた。後ろで、
「泣いてるの!?」
と、ヒソヒソ声が聞こえた。
「だ、大丈夫!?」
みんなと一緒に遊んではいたけど、この子は優しい。
本気で心配してくれていた。
私は軽く頷いた。
その子は私が泣き止むまで、ずっと隣で私を笑わそうと、変なことをしていた。
あまりにもおかしいから、思わず噴出してしまった。
そんな私を見て、その子は優しく笑いかけた。
「もう大丈夫だよ」
「よかったー!」
監督に泣いていたことがバレたらイヤだったから、私はもう一度集合をかけた。
しぶしぶ並ぶチームメイト。
もう、大丈夫。
十分涙は流した。

このころはまだ、強かった。
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