COLORS【透】桜、儚く散るユメ
「暇な割には随分と時間がかかったな」

こ、こいつ~~!
握り締めた右手の拳をプルプルと震わせる。

「まだ慣れてないもので……すいませんね」

先程までの決意もすぐに崩れ去った。


男は一口、それを飲むと静かにコーヒーカップを受け皿の上に置いた。


私は何か文句の一つでも言うのではないかと思い、男が言葉を発するまで見つめていた。
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