COLORS【透】桜、儚く散るユメ
男の姿はなかった。



──さくら。



彼の座っていた椅子の上には、桜の花びらが一つ残されていた。


「まだ外に居るかもしれない!」


店の入口を開けて外に飛び出す。
しかし男の姿はどこにも見当たらなかった。



カウンターの上にはコーヒー代がそっと置かれていた。
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