COLORS【透】桜、儚く散るユメ
ジリリリリリリリ--------------------
いつもの朝。
目覚まし時計が、早く起きろと言わんばかりにけたましく鳴り響く。
「またあの夢……」
夢に起こされたのか、時計に起こされたのか分からぬまま。
そんな状態で私は脳に目覚めよと命令した。
最近同じ夢を何度も見る。
五歳の時の記憶。
そう、母親が自殺した、まさにあの瞬間。
正確には私と一緒に電車に飛び込んで、無理心中を図ったのである。