神人~伝説の神人が死んだ日~
「オペラ…ルナ…」
バースは胃の底から込み上げるものに耐えられなくなり、その場で嘔吐した。
もうジョーカーのせいだとか、催眠術だとか考えられなかった。ただ何でだ、としか思えなかった。
「くそ…」
涙を拭いた時、また新たな足音。
「バース」
「ダリア…」
もう止めてくれ。もう誰も来ないでくれ。
ダリアの手にはやはり銀色の剣。
ダリアはゆっくりこちらに歩いて来ながら口を開く。
「せっかく死から救ってあげたのに、やっぱりバースは誰も守れないんだね」
< 134 / 151 >

この作品をシェア

pagetop