神人~伝説の神人が死んだ日~
目が熱くなり喉の奥が痛い。頭もぼーっとする。
先生の声が聞こえなくなって、バースが顔を上げるとそこは深い闇ではなく、教会の受付があるホールだった。
もうあの死の世界から抜け出せたのか?
呆然とする頭でそう思う。バースはダルい身体を動かして壁にもたれる。
「はぁ…」
ため息をついて少し落ち着く。だが、今までの映像が頭から離れない。
うなだれるバースの耳に、コツコツと足音が聞こえて来る。
「来るな…」
だが足音はバースの前で止まった。
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